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最近は、消費されず増え続けるだけのウォッチリストを何とかしようと仕事中に映画を観ることに挑戦していますが、僕は基本的に仕事中はラジオを聴いています。
山口県に移住直後は地元のラジオ局の番組を聴いていましたが、2014年頃に「ラジコプレミアム」に加入してからは、学生時代から延々と聴き続けていた「FM802」一択です。
そんなラジオから、夏の始まりを告げるかのように「僕らの夏の夢」がよく流れています。この楽曲は映画「サマーウォーズ」の主題歌だとは知っていましたが、僕は「サマーウォーズ」が2009年に公開されて以降、テレビでもDVDでも動画配信でも観たことがありませんでした。
サマーウォーズを避けていたわけではない
2009年は初めての子育てと大阪府から山口県への移住、知らない土地で個人事業主になるための準備など慌ただしく動いていました。
特に「子育て」は思っている以上に大変で長男が幼稚園に入園するまではほぼ毎日、昼食後は近所の公園で遊び、その帰りに今は閉店してしまった小さな商店で「たべっ子どうぶつ」を買い、食べながらうとうとし始めたら抱っこをして帰宅するという生活を繰り返していました。
数年後には次男が産まれ、その生活は次男が幼稚園に入園するまで続きました。また、入園後も毎日、送迎バスが来る場所まで子供たちを連れていき、連れて帰る生活が続きました。
次男が小学4年生ぐらいになり、6時間授業が始まり、16時ぐらいまで帰ってこなくなったことで、「やっと自分の時間ができた」と実感できた気がします。
その頃には、子供たちが学校に行っている間に妻と映画を観に行ける時間が持てるようになり、数年ぶりに映画館で観た映画は「万引き家族」でした。
これまで決して、「サマーウォーズ」を避けていたわけではなく、2009年から2018年頃までのエンターテイメントがごっそり抜け落ちて、ウォッチリストにも入っていない感じです。
2009年、世間が映像革命だと評された映画「アバター」の公開に湧いていた頃ですら、僕はその雰囲気を掴めないまま過ごしていました。
ただ、当時、家族と映画館があるショッピングモールで買い物中に「アバター」のポスターを目にした僕はどうしても映画が観たくなり、妻が子供と買い物をして、僕だけ「アバター」を鑑賞しました。本当に映画革命でした。
当時はすごく感動したはずなのに、2022年に公開された「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」、2025年に公開された「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」には食指が全く動きませんでした。
これはきっと、第2作の公開が2022年と第1作の公開から13年も待たされており僕のなかで「アバター」熱が冷めてしまっていたことと、どちらの作品も上映時間が3時間以上あるため「そんな、長時間はちょっと無理かも」と無意識に判断したのだろうと思います。
サマーウォーズを鑑賞してみて
僕は夏になると「サマーウォーズ」が気になるようで、以前からWikipediaや映画解説サイトなどであらすじを見ていましたが「田舎で家族が世界平和のために戦う映画?なんだそれ?」という状態でした。
「サマーウォーズ」の鑑賞後の僕の感想は「田舎で家族が世界平和(OZ)のために戦う映画だった…なんだこれ?」でした。
これは、決して映画が面白くなかったという意味ではなく、ADHDで常に何かを考えている僕の脳内は「え?なんで?」「あぁ、そういう意味か」「この伏線は回収するの?」「しないんかい」と場面ごとに感想が残ります。
まず、映画は仮想空間「OZ」のチュートリアルを模したような映像で始まります。まるで自分が仮想空間の中にいるような映像に加えて、日本語での説明の後ろで聞こえる英語のナレーションに居心地の良さを感じていました。その居心地の良さは、「機動警察パトレイバー」のNewOVA第8話「火の七日間」の耳に小気味いいナレーションを聞いているような感覚でした。
物語の展開がとにかく速い
製作陣の伝えたい想いと上映時間は切っても切り離せないため、それら全てが詰め込まれた114分は情報が津波に押し寄せて、ものすごい速さで過ぎ去っていきます。
本来、夏希と健二は、夏希の曾祖母の陣内栄(じんのうち さかえ)の誕生日のお祝いに長野県上田市を訪れます。Wikipediaによると、栄おばあちゃんの生年月日は1920年8月1日なので、夏希と健二は7月29日に長野県に来たことになります。
そこから、栄おばあちゃんの誕生日会兼告別式が行われる8月1日までのわずか3泊4日の間に、田舎の親戚が集まり、暗号を解読して、AIが「OZ」を乗っ取り、世界規模のインフラが混乱、栄おばあちゃんが亡くなり、スーパーコンピュータを持ち込んでのハッキング戦、小惑星探査機の落下阻止までが全部詰め込まれています。
物語の流れはこんな感じです。
【1日目】 7月29日
夏希と健二が長野県上田市に到着。その日の夜に健二の携帯電話に届いた謎の暗号メール(2056桁のRSA暗号)を解読(実際はタイプミス)して、返信する。
【2日目】 7月30日
仮想空間「OZ」がAI「ラブマシーン」に乗っ取られ、世界中で大規模な混乱が発生。 健二が冤罪で警察(翔太)に身柄を拘束されるが、渋滞の発生で陣内家に引き返す。
その日の夜に侘助がアメリカから帰ってくるが、家族との言い争いのあと、翔太の車(白色のRX-7)に乗ってどこかに行ってしまう。
【3日目】 7月31日
早朝、栄おばあちゃんが亡くなる。「OZ」の障害で医療モニタリングが作動しなかったためとのやり取りがあるが、寿命だろうということになる。
一同が悲しみに包まれる中、男子チームが集まりスーパーコンピュータや氷を持ち込んでラブマシーンにキングカズマを中心にした第1戦に挑むが、失敗に終わる。
その後、戻って来た侘助と、みんなで食事をしたあとに、「花札(こいこい)」で第2戦に挑み勝利する。
その後もラブマシーンが小惑星探査機「あらわし」を陣内家に落下させることを目論むが、ギリギリで回避に成功して事件が解決。
【4日目】 8月1日
栄おばあちゃんの誕生日と告別式。
ちょっとだけ泣いた
映画を観始めてずっと、
- 夏希の親族にキングカズマがいる
- 健二のアカウントがラブマシーンに乗っ取られる
- アメリカから帰国した侘助がラブマシーンの開発者
- 夏希の親族がミリ波通信用アンテナモジュールとスーパーコンピュータを準備できる
- 携帯電話(ガラパゴスタイプ)でOZのようなSNSを操作するのは難しい気がする
- OZのアカウントに権限を与えすぎ
と脳内では気になる点へのツッコミが続いている状況で物語は進み、花札勝負で追い込まれ、夏希の荒い息遣いが聞こえて、どうしようもない状況でした。
そんな中、どう見ても初期アバターっぽいドイツ人の男の子がアカウントを差し出します。それをきっかけに世界中の見ず知らずの人たちがアカウントを差し出すシーンでうるっと…いや、ちょっと泣きました。
映画で泣いたのは2006年に映画館で観た「UDON」が最初で最後だったのに…親になると涙もろくなるのか、年齢とともに経験することが増え、何でもないことが琴線に触れるのか、思わぬ場面でうるっとして危なくなります。
数年もしたら、映画に赤ん坊や子猫が登場しただけで号泣するかもしれません。
最後に
製作費用と上映時間という制約がある以上、どんな映画にも矛盾も主人公補正的な設定もたくさんあると思います。それがご都合主義に見えるかもしれません。
サマーウォーズも例に漏れず、2056桁のRSA暗号がほぼ暗算で解けるのに数学オリンピックの日本代表になれなかった高校生、OZの世界の格闘チャンピオン、ラブマシーンの開発者が1つ屋根の下に揃います。
あるいは、アナログな「SNS」という意味で、多種多様な人脈を持つ陣内家には、人知れず才能を持つ人材が集まるのかもしれません。この映画はアナログとデジタルの「SNS」の戦いを描いたものかもしれません。
「みんなでご飯を食べましょう」
それでも僕は、この映画が伝えたかったのはこの言葉だと感じています。実の両親との関係がうまくいかない環境で育った僕としては、どうしてもそう思わずにはいられませんでした。
私たちは今、誰かの顔よりもスマートフォンの画面を眺める時間が増えました。2009年に公開された映画を観て、そんなことをふと感じました。僕にとってはそんな映画でした。
それはそうと、たまにSNSでミーム的に見ていた健二君が鼻血を出しながら「よろしくお願いしまーす!」と叫んでいるシーンの意味が分かりました。
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