ある日の夕食後、台所の椅子に座ってコーヒーを飲んでいたら、次男が「うわぁ、スイッチが壊れた…まだ、スイッチ2も買っていないのに…」と、さも、こちらから「どうした?大丈夫?」と聞いてほしいかのように分かりやすく嘆いていました。

雰囲気的に、次男の誇張ではなく問題が発生しているようだったので、ものすごく面倒でしたが、仕方なく「どうした?大丈夫?」と聞いてみました。

次男の説明では、Nintendo Switchにマインクラフトのゲームカードを差しなおしても、「ゲームカードが読み込めませんでした。ゲームカードを差しなおしてください。」と表示されて、起動しないということでした。

次男は「ふーふーしたんだけどね…」とゲームカードを端子部分に息を吹きかけたことを教えてくれました。

「それは故障の原因になるからしちゃダメ!」と注意しつつ、まさか、ファミコン(ファミリーコンピュータ)から連なるカセットに息を吹きかけると直るらしいという歴史が、令和の今も生き続けていたなんて…

念のため、ゲームカードの端子部分を綿棒で優しく拭き取り、何度か差しなおしてみましたが、改善しませんでした。

問題点を切り分けて考える

それはさておき、インターネットに接続されたゲーム機はPCと同じように、問題が発生しても、物理的な故障だけではなく、システム的な不具合も含まれる場合があります。

仮に、買い替えしかないような絶望的な状況に見えても、ゲーム機の内部時間のズレが要因で、インターネット時刻サーバと同期するだけで改善されたりします。

そこで、「任天堂サービスセンター」に問い合わせをする前に、こちらでできる問題点の切り分け作業をすることにしました。

ゲームカードの故障を疑う

まず、ここは素直に、Nintendo Switchの画面に表示されているようにゲーム機本体やゲームカードの故障を疑います。我が家には、偶然にも、運が良く、奇跡的にNintendo Switchの「マインクラフト」が長男、次男、僕の分を含めて、3点ありました。

そして、次男が「壊れた…もうダメだ…」と絶望する後ろで、長男がしれっとNintendo Switch Liteでマインクラフトを楽しんでいました。

次男が遊べないときに、しれっと遊んでるんじゃないよ!兄弟げんかの理由は大体、そういうところにあるもんだよ!気を使えよ!空気を読めよ!

次男のNintendo Switchに長男と僕のマインクラフトのゲームカードを差してみましたが、エラーが表示されました。そのため、次男のゲームカードが故障している可能性は限りなく低くなりました。

ただ、長男がついさっきまで遊んでいたマインクラフトのゲームカードでもエラーが表示されたため、ゲーム機本体の不具合の可能性が高まりました。

また、次男のNintendo Switchでは「Pokémon LEGENDS Z-A」「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」「ドラゴンボールZ KAKAROT」などは正常に起動することも確認しました。

ゲーム機本体の確認作業

ということで、次は次男のNintendo Switchの設定の確認をすることにしました。確認した内容は、以下の通りです。

  • インターネットの接続状況
  • システムのバージョン(更新状況)
  • セーブデータお預かりの最終更新日

確認した限り、どの設定も問題なく機能していましたが、マインクラフトのセーブデータお預かりの最終更新日は2024年11月になっていました。

Nintendo Switchの警告画面に表示されていた「この本体では遊べないゲームカードが差し込まれたか」というメッセージが少し気になっていたので、マインクラフトの更新状況を確認すると、1年近くアップデートしていないことが分かりました。

つまり、次男のNintendo Switchには、2025年中に提供された「Spring to Life(スプリング・トゥ・ライフ)」や「The Copper Age(銅の時代)」のデータがないことが起動しない要因ではないかと判断し、すぐにマインクラフトのアップデートを開始しました。

アップデートの完了後、恐る恐るマインクラフトのゲームカードを差してみると、警告が表示されることなく、無事に起動することができました。

確認作業を始める前に、インターネットであれこれ検索をしても、似たような事例が見つからず、何の確証もない中でのトラブル対応でしたが、今回は運良く解決できてホッとしました。

ちなみに、マインクラフトの起動画面を見ながら「やった!壊れてなかった!またマイクラで遊べる!」と大喜びしていた次男は「良かったぁ」と言いながら、スマートフォンの「ONE PIECE バウンティラッシュ」で遊び始めました。

マインクラフトを正常に起動するようにしたのに、起動すると分かったら、途端に遊ばなくなるのなんでなん?

もしかすると、マインクラフトのアップデート不足以外に、ゲームカードの端子の汚れや劣化による接触不良など、複数の要因が絡み合っていた可能性もありますが、今回はマインクラフトのアップデート後に、正常に起動するようになったので良しとします。

長男でもちょっとした問題が起きた

次男のマインクラフトが起動しない事件に前後して、長男から「スマートフォンで自分の学校のGoogleアカウントにログインできない」と相談がありました。

詳しく聞いてみると、長男が学校で使っているChromebookのカメラ機能が故障して、修理が終わるまでの数日間だけ、自分のスマートフォンで確認しなきゃいけないとのことで、スマートフォンで設定するけどうまくいかないということでした。

子供たちがスマートフォンを使い始めました」でも触れましたが、子供たちのスマートフォンにはファミリーリンクが設定され、スマートフォンやアプリの利用時間、アプリのインストールが制限されています。

ただ、スマートフォンがファミリーリンクの管理下にあっても、自分自身のアカウント以外に、「Google Workspace for Education」にログインできる権利を持っています。

そのため、本来は長男のスマートフォンから学校で利用しているGoogleアカウントにもログインできるはずですが、AIにも聞いてみたけど、うまくいかないとのことで僕に相談してきたようです。

そこで、まず、僕が長男のスマートフォンの操作をして、Googleアカウントの追加、ログインを試したところ、「同意」ボタンをタップする直前で「ファミリーリンクで管理されているGoogleアカウントがすでにログインしているため [メールアドレス] は削除されました」と通知が表示されていました。

色々とファミリーリンクの設定を調整してみましたが、結果はどれも同じでした。

次に長男にAIにどういうふうに質問したかと尋ねたところ、「学校のGoogleアカウントのログインについて教えて」と聞いたと答えました。長男には、AIは状況を自分で判断できない(空気は読んでくれない)ので、詳細に伝える必要があると伝え、

「Google Workspace for Educationにログインできません。考えられる可能性をリストアップしてください。なお、スマートフォンはファミリーリンクの管理下にあります」

と聞いたほうが答えに近づく可能性があると説明をした上で、僕のスマートフォンからGemini(AI)に、その質問を投げかけてみました。

そして、その後のAIとのやり取りから、ファミリーリンクによる管理機能と学校側のモバイルデバイス管理機能(MDM)による衝突が引き起こされている可能性が高く、長男のスマートフォンに学校用のGoogleアカウントの登録は難しいかもしれないと判断しました。

そこで、「Google クラスルーム」へのログインのみに目標を絞り、AIに質問したところ以下のような対応策が提示されました。

  1. Google Chromeでログインを試みる
  2. Google Chromeのシークレットモードでログインを試みる
  3. Google Chrome以外のブラウザでログインを試みる

AIに提示された内容を確認する

Google Chromeで「Google クラスルーム」にログインを試みようとすると、アカウントの登録時に、Android側のアカウント登録画面に移行するため、結果として、Geminiに質問する前と同じ症状になるため、断念しました。

また、Geminiはうっかりしていましたが、ファミリーリンクの管理下にあるGoogle Chromeでは、シークレットモードは利用できません。

ということで、残された選択肢は「Google Chrome以外のブラウザでログインを試みる」だけになりました。

サードパーティ製のブラウザに一縷の思いを託す

そこで、僕がGoogle Chromeが登場する以前の2002年頃から使い続けている、Firefoxに全ての可能性を託すことにしました。

結果から言うと、Firefoxでログインした結果、あっさりと「Google クラスルーム」にログインでき、無事に解決しました。

ただし、Firefoxはサードパーティ製のため、ファミリーリンクの管理下にあるGoogle Chromeのように機能を制限しない可能性があります。

そのため、確認したところ、Googleの「サーチセーフ」はオンになっていました。ただ、それだけでは不安があるので、念のため「uBlock Origin」を設定して、長男には、Firefoxは「Google クラスルーム」の閲覧以外に利用しないように伝えました。

アプリの多様性に少し不安を感じる

今回の本題から少し逸れますが…

最近では、以前に比べて、それほど重要視されなくなっているように感じますが、Webサイトの制作現場ではChromeやFirefox、Safariなど、異なるブラウザで閲覧してもWebサイトが同じように表示される「クロスブラウザ」という考えがあります。

かつて、Microsoftが開発、提供していた「Internet Explorer(IE)」と呼ばれるブラウザが世界シェアの70%以上を誇っていた頃は、「IEで見れていれば良い」という考えがあり、また、IEには独自機能が多く含まれていました。

今回はサードパーティ製のアプリによって対応できましたが、一部のWebサイトでは、Firefoxでの表示のサポートを中止したり、また、主要なブラウザの多くがChromeと同じChromiumをベースに開発されています。

Webの標準化という名目のもと、かつてのIE全盛期の頃のように、ブラウザの多様性の喪失が少しばかり気になるところです。

最後に

今回の子供たちに起きた問題では、特に「問題の多くは再起動かアップデートで直る、ただし、直らない場合もわりとある」を我が家の新しい家訓として伝えていきたいと感じています。

また、今回、子供たちと一緒に問題に対応することで、「嘆く前に、素人なりに思いつく解決策を色々と模索してみる」、そんなことを伝えたつもりですが、きっと、親の思いはうまく伝わっていないでしょう。

そしてなにより、日々の制作業務で僕が問題をどういう風に判断や認識しながら対応しているのか。子供たちのトラブル解決を通して、そんな自分の姿を客観視できたような、面白い経験になりました。

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2004年よりWebサイト制作に携わり、2010年から山口県山口市で、Webサイトの制作や更新を専門とする個人事業主として制作業務を行なっております。

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